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父のこと [古ひつじの詩(川柳・狂歌・詩・散文など)]

皆さま、こんばんは[わーい(嬉しい顔)]


しばらく忙しくて、
皆さまのブログ訪問が滞るかもしれません。
申し訳ありません。m(_ _)m

時間を見て、お邪魔しますので
そのときはよろしくお願いいたします♪



今日は、久しぶりに古ひつじの詩です( ´艸`)


暑さで、脳味噌がフリーズしたままですが・・・[ダッシュ(走り出すさま)]




父のこと




父が逝って ひと月が過ぎた

あんなに暑かった日々は

次第に遠くにゆらぎはじめ

夜になると虫の声・・・


ようやく さびしくなってきた

時間ができると

「病院に行かなきゃ 」 って思うし

買いものに行くと

病院に持って行くものを探してしまう

「父はもういないんだ 」 と はッとしては

さびしさが風のように吹きぬけていく


人は2度 死ぬと言う

一度目は その命の尽きるとき

二度目は 思い出す人がいなくなったとき


その重い荷と戦い続ける父を見ていた私と子ども達は

生きている間

その勇姿を忘れることはないだろう

2世代間にわたり 父は まだ生きている



もうじき 四十九日・・・

うそみたいだ

父がもういないなんて・・・



相変わらず 母と弟はまったく動く気配もなく

すべてを私にゆだねるわけでもなく



今頃になって やっと父は

この現状を目の当たりにし

家族の不備を 心底 理解しているのやもしれぬ



「おじいちゃん、

 あなたが選んだ人、間違ってたよ」

私は食器を洗いながら

さらりと言ってのける

父は無言だ



もっと生きたかったろう

やりたいことがまだまだたくさんあった


横浜の鶴工OB会には

絶対に 参加したかったに違いない



「横浜に引っ越せばよかったのに」

「そうだなぁ」

めずらしく 私の言葉を

肯定した目だった・・・



ただ最期は

「もうじゅうぶん生きたよ」 と

すぅ~っとあきらめたのだろう



私なんて

何度も何度も 「もうじゅうぶん頑張った」 と思っても生きてる

「神さまはいつになったら『もういいよ』って言ってくださるのかしら」

そう思いながらもずっと生きてきた

私みたいなものは

言葉にこそ表さないが

子ども達が気になって

見えない太い執着にしばられているに違いない




父が息を引き取ったその日は

奇しくも ちょうど 父が脳出血で全身麻痺になった日


父らしい と思う

「きっかり3年間 がんばったよ」

というメッセージなんだ


自分も納得できて

周囲にもそれを示して

ピリオドを打ったのだ


しかも 四十九日は 弟の誕生日


「僕の言葉・思いを忘れるな」

そう言い残したかったと思えてならない


父らしく

ほんとに父らしく 自ら選んだ日に逝った



子ども達は 悲惨な修羅場を

どれだけ 胸に刻んだろう


「子ども達を守ってくださいよ」

父に話す

「言うまでもない」

父は答える

「でも・・・

 あなたが 人を見る目がないことは

 じゅうぶん証明されちゃったわけだし

 そこンところは 手を出さないでほしいんだけど」

「また君はそういう言い方をする

 そういう言い方をしたら身も蓋もないじゃないか」

父はムッとした顔をするだろう

「子ども達の人生は 子ども達の責任の下で自由なんだからね」

向こうを向いた父は無言だ



今の今まで

私にとっては理不尽な

父の大きな壁があってこそ

私は自分のポジションを確認できた



母と弟も

自分達の座標を失くしてしまったのだろう

自己の内面深く降りていって

自分と向き合うことなどない人たちだ

浮き草のように漂い続けるのだが

それを自覚することもない

父がいてこその存在であったろう



私は今から

母の処遇を考えなければならない

「弟さんは動こうとされませんから」

母のケアマネに頼まれている

かと言って

私が動くことを弟が認めるはずもない



「もう 弁護士さんに頼んじゃいますよ」

「そうしなさい

 こういうことは きちんと手順を追って進めていくべきだよ」



四十九日を過ぎたら

もうひとガンバり

それが最後のガンバリになるように

父よ

お力添えをお願いします



部屋にただよう線香の香り

まだアサガオも咲きながら

風は初秋の肌触り

父が逝った夏が終わる







最後まで読んでくださって
ありがとうございます m(_ _)m


次回は、動物行動学の本のまとめをアップします[exclamation]
読みにくい本・・・なんです・・・;
がんばろー[パンチ] [ふらふら]







タグ:父の死
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