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紫陽花 [古ひつじの詩(川柳・狂歌・詩・散文など)]

みなさま、こんばんは[わーい(嬉しい顔)]


今日は、古ひつじの詩です。

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紫陽花


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昔は嫌いだった

じめじめした時期

陰に咲く紫陽花


もっと堂々と

お日さまの下で

天を仰ぐ向日葵のように

咲けばいいじゃないか


しかも、紫陽花は木だ

もともとが強い

なんか、ずるい気がしてた


手入れされない紫陽花は

雨にうたれながら ひっそりと咲いたあと

干からびた薄茶の花を残し

その大きな葉にべったりと張りついて

決して美しいとはいえない姿をさらけ出す


じりじりと肌が焼けるころになると

ぶざまな花弁はどこかに消えて

セミのBGMとともに

大きな葉は周りの緑に同化する




子どものころ

ひとりで自転車に乗る練習をしていた

家の前の坂道を

足を浮かせて

バランスをとりながら下る

すぐにバランスを崩して足をついてしまう

その度に 何度も自転車を押して 坂を上る


そのうち・・・

できた!

バランスを保ち

足を跳ね上げたまま

坂をどんどん下る

どんどん加速がついて髪がなびく

「気持ちいい~!」

そう思ったとたん

途中のカーブが曲がりきれず

まっすぐに他所の家の垣根に突っ込んだ



木の枝が身体のあちこちに刺さって

顔だってひりひりしていた

涙がいっぱい浮かんだ目に

紫陽花の大きな花

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「大丈夫?」 とでも言いたげに のぞき込む


大きな花が

涙でにじんで見えなくなっては

降り始めた雨の中

またはっきりと見えて

そしてまた見えなくなる




誰も来てくれない・・・



私はひとりで垣根に突き刺さった自転車を引っ張り出し、

雨のしずくをたらしながら

誰もいない家に帰った




紫陽花のこと

長い間、嫌いだったのはなぜだろう

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低木に咲く花が

木という太い権力に守られたように思えたのか

陰に咲く花が

大樹に隠れた花に見えたのか

それとも

自転車で突っ込んだ

あの痛みが 紫陽花の花とともに心に残ったのか・・・




私の自転車は とてもオンボロで

さびの中から かろうじて元がピンクだとわかるようなものだった

弟の自転車は

マンガ雑誌の裏表紙に載っているウィンカーやライトがいっぱいついたものだった


受け入れざるを得ない哀しさが

紫陽花の花とタブッて

子どもの心に刻まれたのか



ひねくれてたんやナ(笑)



紫陽花に八つ当たりしてたわけ?(笑)



日陰に咲く紫陽花の

お天とうさまに照らされない姿に

自分を重ねて

イラついたのかもしれない


そして

見て見ぬふりをして

自分の姿を封印した


自分を全否定するしかなかった子どものころ


それにも気づかずに

子どもって懸命に生きていくものなんだよね



紫陽花の花の華やかさは

梅雨の時期だからこそ

いっそう映える


紫陽花の可憐さは

ひとつひとつのガクが色づいていくことで

いっそう際立つ

5.JPG


みじめで ちっぽけで

誰にも気づいてもらえずに

ただ黙して生きていたころに

「大丈夫?」

とささやきかけてくれた紫陽花は

今も心に

大きく息づいている






今は、紫陽花、大好きですよ。
オンボロ自転車格差社会も
もう、なぁ~んとも思ってません。(笑)



紫陽花は・・・
特に、色づきかけた紫陽花は大好き[exclamation×2]
6.JPG

一番、気に入ってる写真[揺れるハート]
7.JPG
あれ???
この写真、縦やったのに、横になってる・・・
美しさ半減・・・[ダッシュ(走り出すさま)]



そして、おまけ[るんるん]

街角の風景[黒ハート]

もうびわの時期なんですね[るんるん]
びわ、大好きなんですよ~[黒ハート]
8.JPG

最近気に入ってるゼラニウム[揺れるハート]
IMG_6660.JPG
まりりん地方の 『 区の花 』 でもあるので、
植えてらっしゃるお家が多いのです[るんるん]

御近所の百合(ほんの一部
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最後までお付き合いくださってありがとうございました[るんるん][ぴかぴか(新しい)]






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