さくらの木 [古ひつじの詩(川柳・狂歌・詩・散文など)]
この寒空に
さくらの木
春にはきれいな花なれど
花のふぶきのお掃除や
夏の毛虫のいやらしさ
秋には落ち葉をかき集め
たき火ができるはずもなく
手入れがとてもたいへんで
見せて頂くだけでごめんなさいと
今まで思っておりました
春だけの木
春以外はわずらわしい木
なぜか そう信じ込んでいたのです
でも冬木立の凛々しさに
この冬 初めて 虚を衝かれ
あらためて春の姿を思い浮かべる
何も晴れやかなだけが美しいのではなく
虫を恐れながらも
若葉を抜ける木もれびに目を細め
せみしぐれの夏には
木陰の風にひと息ついて
秋は
虫に齧られた落葉の
まだらに色づく彩が愛らしく思えたり
そして、今の凛々しさと
いつも その姿で
生きることを楽しませてくれてるんやと
今日は手を合わせて
さくらの木にありがとうを言いました
私もおとなになったもんやわぁ(笑)
最後までお読みくださって、ありがとうございます m(_ _)m